Ume-tre Method
―データ化からメニュー提供まで
Ume-treは、感覚値に寄らないトレーニングを行うことを提唱しています。まず、「得意」「苦手」「課題」「克服」の4つにムーブメント結果データを分類することで客観的に『今の自分の運動機能力』を把握しましょう。そして、苦手なものをなくせば、気が付いた時には『動けるカラダ』が出来上がっています。大事なのは仕事や生活でも効率的に動けるようになることです。運動のコツを知って何でも出来るオールラウンダーになろう!
<データに基づいた運動機能力判断サイクル>
上記のサイクルを繰り返すことで、なんでもできるオールラウンダーがひとり、また一人誕生することを目指しています。それでは、Ume-tre Methodで実際にトレーニングされている方を例にして、メニューご提供までのプロセスを具体的に説明していきます。
<実際にUme-treメニューでトレーニング中のAさん>
◆プロフィール:
年齢:40代後半
性別:女性
運動歴:なんとなく続けており、週2回程度で、およそ12年
運動内容:サーキットトレーニング、加圧トレーニング、筋トレ
性格:チャレンジ大好き!だが慎重な面もあり確実にできるか?考える時間も多い。成功するとポジティブ度が増す。
次は、1.基本の体力チェックメニューへ
First Contact 『EC.1&2』《Metcon (Total 12min.45sec.) 》
Element Check 1
With a running clock on the 1min.× 1 round ( Total: 2min. 30sec.)
S1. 1min. Burpees
( Scale:Modified Burpees )
- 1min. 30Sec. REST –
Element Check 2
30 Sec. ON / 15 Sec. OFF × 3 round (Total:10min.15sec.)
S2. Butt Kicks / Sumo Squat Jumpin' Jacks / Butt Kicks
S3. Worm Raises
S4. Alt. Side Tuck Climbers / Rock Climbers / Alt. Side Tuck Climbers
S5. Weighted Squats< 2Kg × 2 >
※Between Round 1 min. REST
次は、2.マッピングレポートへ
基本チェックメニュー結果とマッピングレポート
実際にAさんに実践していただいた基本の体力チェックメニューのトレーニング結果が以下です。
※メニュー名の横に連なる赤字(例)S1. 1min. Burpees( Scale:Modified Burpees ) … [R:21] →
R=REP(回数)なので、1分間に21回できたという見方になります。
Element Check 1
Element Check 2
S2. Butt Kicks … [R:80]
/ Sumo Squat Jumpin'Jacks … [R:17]↓
/ Butt Kicks … [R:92]↑
S3. Worm Raises … [R:17/14/14]↓
S4. Alt. Side Tuck Climbers …[R:30]
/ Rock Climbers … [R:43]↑
/ Alt. Side Tuck Climbers … [R:16]↓
S5. Weighted Squats< 2Kg × 2 > … [R:8/11/12]↓
<1kg/0Kg/0Kg>
S1. 1min. Burpees
( Scale:Modified Burpees ) … [R:21] →
チェックメニューの結果に関する考察(解説)
Element Check 1:レップ数考察とトレーニング後の印象
S1のモディファイド・バーピーの回数は21回。胸をつけていない動きなので平均レベルの回数が行えています。
ただ、1つめのメニュー終了時点での息の上がり方が高く、心肺持久力に少し難がある印象が否めませんでした。
Element Check 2:レップ数考察とトレーニング後の印象
S2のバット・キックスは1ラウンドめ80回に対し、3ラウンドめは92回と上がっています。後半キツくなる時点でのレップ数の伸びから、得意な種目であることが分かります。しかし、2ラウンドめに行ったスモウ・スクワット・ジャンピング・ジャックは、17回しか出来ていません。この動きのリズムを考えると20回は行きたいところですが、足りていない点から、上下動が入る動きは、あまり得意ではないことが分かります。
S3のワーム・レイゼズは腹筋運動のカテゴリーですが、初回は17回行えていますが、2ラウンド、3ラウンドと14回まで落ちています。体幹キープにも得意ではない可能性が出ています。
S4のサイド・タック・クライマーは、1ラウンドめのレップ数に比べ、3ラウンドめには半分近くに落ち込んでいます。2ラウンドめのロック・クライマーは、43回と高レップ数を計測しています。ここで分かるのは、サイド・タック・クライマーは手を床についた状態での上下動の動きになるため、ここでも上下動が得意でないことが分かります。ただし、ロック・クライマーのように左右にリズミカルに動くものに関しては、上下動ほど苦手ではなさそうです。
S5のウェイテッド・スクワットは、1ラウンドめこそ1Kgのダンベルを持って出来ましたが、回数も少なく、2、3ラウンドは荷重ナシで行う形になりました。結果、1ラウンドめよりは回数が伸びましたが、それでも3回ずつという少ない回数で終了しています。
結果をもとにしたマッピングレポートと考察(解説)
縦軸に影響度、横軸に回数の平均を取り、トータルのレップ数から、各ムーブメントがどのような影響を出しているのか?を4象限にマッピングして可視化したのがこのレポートです。
左上 苦 手 に位置したのは、サイド・タック・クライマーとウェイテッド・スクワットで、どちらも上下動が大きいムーブメントです。ここで分かるのは、股関節周りの収縮・伸展、及び、安定性と可動性を同居させて動くものが苦手だということです。ただし、苦手箇所はいきなり克服できるものではないので、ひとまずしっかりこなせるようになることが大事です。
同様に、左下 課 題 に位置したのは、スモウ・スクワット・ジャンピング・ジャック、ロック・クライマー、モディファイド・バーピーの3つのムーブメントです。この3つは垂直の動き(ジャンプ)に、心肺持久力を問われる要素が組み合わさっており、 課 題 に位置したことで他のムーブメントに影響を出してしまっていることが分かります。この3つの動きをスムースに行えるようになると、全体がもっと楽に行えるようになります。
右上の 得 意 に位置したのは、バット・キックスです。バット・キックスの動きは、後ろへの蹴り上げを継続する必要があります。つまり、蹴り上げる柔軟性と継続するためのスタミナが必要になる有酸素運動になりますが、この動きは上手くこなせていることが分かります。
右下の 克 服 ゾーンには該当ナシでした。
結果として、 苦 手 -股関節の収縮・伸展、安定性と可動域を両方を使う動き。 課 題 -ジャンプ系の心拍数があがる動き。
得 意 -有酸素系、柔軟性が問われる動き、継続して行う動き、ということが分かりました。
次は、3.Ume-tre BOX +トレーニングアプローチへ
「Ume-tre BOX」は、14種のカラダのファンクショナルーエレメント(機能・要素)から構成されています。
最初の段階では、土台となる赤色部分=「Triangle Base Element」をしっかり鍛えて全体的な安定性を出すトレーニングをしていきます。
Ume-tre BOX
※ Core Muscle/Balance
Strength
Endurance
Stamina/Power
Speed/Agility
×
△
△
↓
↓
Purpose:トレーニングアプローチの目的
まず、何よりも土台の「Triangle Base Element」をしっかり鍛えて全体的な安定性を出す必要があります。Aさんの場合は、特に体幹力とバランスが良くないので、ここを中心に鍛えて「Energy Elements」であるパワーとスタミナをキレイに導入出来るようにしたいところです。最終的に、今よりも全体的な俊敏性だったりスピードを上げていく形にもっていくのが理想です。
トレーニングアプローチとしては、主に下半身を中心にした自重筋力トレーニングをベースにプライオメトリック(瞬発力のトレーニング)と、HIITの仕組みを上手く活用してトレーニングを行う必要があります。瞬発力のトレーニングには、ジャンプ要素と股関節をダイナミックに動かす動きを採用して、可動域の安定性も伸ばしつつ、高強度の動きと休憩を連続させて心肺持久力を高めた運動を行います。ムーブメントによっては、ダンベルも追加して荷重負荷を掛けられる形にし、HIITからMeton※までの伸びしろを作ります。
※ Metconとは・・・Metabolic Conditioningの略。HIITよりも重量負荷を強くして、タイムルールのバリエーションが多いトレーニング手法。
HIITのタイムルールは一般的に、ON/OFFのみだが、Metconには、他のタイムルールによるやり方もある。
この目的を踏まえたトレーニングメニューのコンセプト
Plyo × HIIT + D.B Ex.
Body Weight (Core/Lower)
Road map:トレーニングメニューの構成条件と今回のメニュー構成
Ume-tre Ladder
Ume-treで提供するトレーニングメニューは必ず以下の形式をとります。
<メニューの構成条件>
・漸進性が高い:メニューをこなして(クリア)していくことでカラダの機能性が高まること
・可用性が高い:ムーブメント同士に矛盾や弊害がないメニュー構成であること
・万能性が高い:苦手要素を克服するテクニックを身に付けられる内容であること
・娯楽性が高い:ステージをクリアして段階的に上がりながら成長していくロードマップ型であること
<今回のメニュー構成>
1st. STAGEは、EMOMを採用した3種類のメニュー(Gate 1~Gate 3)をこなしてもらう形になります。制限時間の塊が2分、3分、1分とそれぞれ変化していく中で複数のムーブメントを行ってメニューをクリア出来たら?次のメニューを行います。
次は、4.Ascending Menu Plan + Menuへ
Ume-tre BOX +トレーニングアプローチ
Ascending Menu Plan + Menu(例)
様々なタイムルールの中で自身の数値を「トレーニング方向」に掛けて確実刻む3回のメニューの意味でメニュー名は、Compass Trip『123』と名付けました。トレーニング時間はTotalで12分間のものを3種類やってもらいます。
※Metcon:Metabolic Conditioningの略。様々なタイムルールの中で、少し荷重負荷があるものも取りつつEPOCが起こるファンクショナルトレーニングを行うこと。